西川美恵子先生(中1の時の恩師) | |
西川美恵子先生 前略、大変なお誉めの言葉を頂戴し、何よりうれしく思っております。また、先生からお礼の言葉を頂き、思わず涙が出てきました。自分の生き方が、やってきたことが大筋において間違っていなかったのだと思い、自分自身に多少の自信はあるものの、さらに自信と勇気がが湧いてきました。この手紙は、娘(今、中1)がもう少し大きくなったら読ませようと思います。 そもそも、今の塾の授業方針はすべて成和中学校そのもので、諸々のシステムは先生が昔われわれにされていたことそのものです。もし私が福井で塾をやっていたら、何をさておいても、先生に名誉塾頭をお願いしているでしょう。先生はもちろんお忘れでしょうが(いや、どこの学校でも同じことをされていたのかな!)、中1の5月の連休前に理科の試験がありました。それで不合格者(クラスの7割が不合格)は試験範囲であった教科書10頁くらいを、ペナルティとして「10回わら半紙に書いてこい」というものでした。 私は、幸いにも交換採点をした藤井君の寛大さのおかげで難をのがれましたが、今考えてもゾーとします。 当塾では、入塾した生徒に、ペナルティの専用ノート「ペナルティノート」というのを作り渡しています。このノートは内部ではみんなにそのいわれを話し「ミエコノート」と呼んでいます。 どっちみち、先生の教えをそのまま実行し、儲けているわけですから、私が最も優秀な生徒であったことはまちがいないようです???? うちの塾は、個別対応方式で授業をしています。(ちょうど7、8人まとめて家庭教師をしているようなもので、内部では「皿まわし」と呼んでいます)そうしますと、生産性の問題でどうしても授業料が高額になってしまいますので、通塾している生徒の保護者はある程度の収入がある人になってしまい、必然的に社会的地位も、立場も有する人になってしまいます。当然会社では部下が何人もいて、その人たちの教育、コントロールもしっかりされておられるわけです。ところが、自分の家族、子供の事となるとからきしだめ。感情が入ってしまうからだと思います。先生は「おばあちゃま」になるわけですか、難しい立場ですね。孫はかわいいし・・・・。婿殿は、感情が入ってしまい、「厳しく」しなければならない部分を思い違いしているのでしょう。 うちの娘は大変立派なもので、夏休み40日間、まともに家に居るのは4、5日くらいです。今回に始まった話しではありませんが。7月は名古屋の戸塚ヨットスクールに預け、ヨット合宿、8月の前半2週間は塾の先生たちと一緒に北海道でキャンプ。下旬に1週間ほど、能登半島で、また戸塚ヨットスクールのキャンプに参加します。これが私流の「子供は徹底的にしごく、徹底的に厳しく」です。おかげで自慢できる点は、明日嫁いでも、そのへんの大学を卒業した、わがまましほうだいのわけのわからない女性より、家事はできそうという点です。じつは、後述しますが、情緒障害児の対応を研究し、行き着いたところが戸塚ヨットスクールです。校長の戸塚宏は、私が最も尊敬している先生の一人です。考え方は先生と全く同じで、「厳しく」の一言です。ところが困ったもので、娘はあの悪名高き戸塚ヨットスクールをたいへん気に入り、戸塚宏を自分のボーイフレンドの一人くらいに思っています。 今の公立中学校のクラブ活動が、せめて成和中学校の半分でいいから厳しく対応してくれたら、親はこんな苦労をしないですむのに。 私たちが、個別対応方式で授業をしているから、とくに多いのだと思いますが、個別授業=我が儘を聞いてくれる塾、おんぶにだっこをしてくれる塾、と錯覚して入塾する生徒が多く、いつのまにか、情緒障害児専門塾になってしまったようです。うちは塾ですから、全寮制の戸塚ヨットスクールとは違い、あくまで軽傷の生徒しか対応できませんが、それでも四苦八苦の日々です。戦後の豊かさがもたらした副産物である情緒障害児(もっとはっきり言えば情緒障害パパママ)。原因は全て親であり、過保護の家庭の子供が多く、逃避と責任転嫁、我が儘と何でもあり。毎日が戦いの連続です。 悩みは、今の若い先生に、いかに教育の意義、目的をを教えるか。進歩的文化人と、無責任なマスコミに毒され、「何でも有り」が民主主義と曲解している若者に・・・・。権利のみ主張し、義務は「死語」に。極端に言えば、日本は米国と違って、徴兵制という最も厳しい義務がないのだから、権利も一切ない。くらいの教育をしなければならないのかも知れません。 先日、「『親方日の丸はあかん』と言うことを話せ」と、武生東高校の教員の研修会の講師として呼ばれ(じつは、同校の校長が、高志高校の山岳部の顧問だった関係で)、講演をさせて頂いたのですが、学校が抱えている問題も似たりよったりだと思いました。竹沢信剛先生が、「福井は大丈夫」といつも言っておられますが、ボチボチ福井も教育危機がきつつあるのかなーと危惧しております。 先生に、もう1つ、冊子を送らせて頂きます。これは【秘】【秘】【秘】の内部資料です。若い先生の教育用マニュアルです。ご批評頂ければ幸いです(これは、一般向けではないので相当批評があると思いますが)。 《《《ちょっといいわけ!》》》 誤植が多いのは、多くの方から指摘を受け、出版社と今もめています。出版社も、3流の下請け(製本会社)を使うからこうなってしまったようです。誤植は当然出版会社の責任ですが、読む人は著者の責任と思うでしょうから。先生に読んで頂いたのは、第1刷で、第2刷以降は修正し、ほとんどなくなっているようです。 「嫁」・・・・もちろん何げなく使った言葉ですが、以後気をつけます。「死語」を生き返らせたのならまだいいのですが、実は先日、不注意にも、とりようによっては差別用語になる言葉を不特定多数の面前でしゃべってしまい、大変厳しいご注意を頂戴したばかりです。 お盆あけに電話をしてお伺いします。とりあえず、お元気で。 |