| 第38号 平成 9年 2月 TOPへ戻る |
日々是激動、大歓迎 ー激動こそ平成維新の原動力ー 平成九年二月十二日、夕方の各放送局は、北朝鮮「黄長嘩」労働党書記の「亡命」を速報した。以来六日経った十八日現在、諸説紛々として実態はつかめていない。例によって国際音痴の日本マスコミは、韓国政府の発表するままに、「黄」亡命説をタレ流し続けている。だが、それを額面通り信じて良いものであろうか。 (「亡命」か「拉致」か「謀略」か) 情報化社会の今日、正に「先手必勝」最初に情報を公表したものは、その主導権を握る事が出来る。 今回の「亡命騒ぎ」で特に目立ったのは、韓国側の手際良さであった。十二日午前に、黄書記以下が北京の韓国大使館に「亡命」するや、その夕方にはそれが公表され、次いで韓国の「朝鮮日報」(韓国での反体制的新聞)紙上で、以前に書かれたとされる本人の「手紙」なるものが公表された。然も、それは韓国「国家安全企画部(所謂KCIA)」を持ち上げる部分もあり、更に次々に出る本人の手記、手紙の内容は、伝えられる様な突発的な「亡命」ではない事を、逆に物語っているかの様である。 とすれば、北鮮の主張する「拉致」もあながち見当外れの見解として無視はできない。即ち韓国側の特務工作の可能性も否定しきれないのである。 だが、韓国にとって北鮮の政治的危機は、好ましいものではない。何故ならば、北鮮の崩壊は、二千二百万人の世界最貧民衆を国内に取り込む結果を招来し、東ドイツを併合したドイツ連邦以上の国家的苦境をもたらすからである。 結局、単純な「亡命」ではなく、一方的な「拉致」とも断定できない。ならば、それ以外の何等かの可能性を類推する外ない。 (謀略国家「北鮮」「韓国」) 前述の様に、単なる「亡命」「拉致」と規定出来ない以上、そこには、冷徹な「謀略」の存在が浮上して来る。 北朝鮮から送り込んだとすれば、国内の「偽情報」を流す役割を果たす効果を期待できよう。現に、「核爆弾五発」「南鮮侵入スパイ五万人」説が流され、韓国内に不安と疑心暗鬼が入り乱れている。仮に、食料難に喘ぐ北朝鮮が韓国に侵攻するとすれば、「拉致」は最上の口実となり、「偽情報」は対敵撹乱の最高戦術となる。又、単に食料援助を間接的に脅し取る方法としても有効ではある。自分の家族、一族を北に残した、即ち総ての身内を人質に捕られた七十過ぎの老人が、身内を強制収用所へ送られるー即、殺されるーのを覚悟で唯一人だけ安全な土地に逃避しようとするであろうか。 仮に北鮮の特務工作とするならば、過去にあった様に、一旦「亡命」して、再び北に再亡命し、「社会主義・主体思想」の優越を宣伝する事も出来る。又、より高度な戦術として、「亡命」した黄書記に「同調者(反金正日)」なる者の氏名を公表させ一気に目障りな幹部達を粛正してしまおうしている可能性もある。 一方、韓国側の謀略説は、より以上の説得力を持つであろう。 現在、確認されている各種情報から類推する限り、韓国側の対応は、昭和十二年「盧溝橋事件」に際しての中共軍の行動にも似ている。一発の銃声が木霊するや、忽ち全中国へ対日徹底抗戦の指令が行き渡る。予め、総ての筋書きが仕組まれていて、火を点けたのは中共軍特務、そして、火を消しきれなかったのが国府と我日本であった。 今回の「亡命」事件も、突発的偶然というには、余りにも出来過ぎた筋書きの存在が見え隠れしている。黄書記が手記ーそれが本物であると仮定してーで表明したように、北の体制に疑問を感じていたのならば、既に「金日成」時代に亡命していたはずである。処が、今何故急に「亡命」なのか。それは、北鮮に於ける「権力闘争」で敗北し、左遷もしくは粛正の可能性が高まった為に「亡命」した要素もあるであろうが、それにしては準備、段取りが出来過ぎている。 韓国政府、マスコミ等の連日に亙る報道は、事前に計画された「亡命劇」の要素を否定出来ない。ならば突発的でないとすれば、誰が仕組んだ亡命劇なのであろうか。この様に多角的な要素を含む問題の場合、その行為によって誰がより利益を得るかが疑問を解く鍵になる。 (陰謀政治家「金泳三」大統領) 韓国では、多くの大統領経験者が在職中、又は引退後に、悲惨或は不遇な境遇を受けている。それを熟知している「金泳三」は、本年秋の大統領選挙前に自己の安定的政治基盤を確立する為に、法の不可遡及性に違反してまで特別立法を行い、「全・廬」両大統領を逮捕して、その政治的生命と影響力を奪った。昭和四十八年「金大中事件」でも、彼は、金大中が拉致されたホテルに同宿しており、当時KCIAのスパイとの疑惑を持たれていた。 自己の必要の為ならば、友人や先輩でも平気で死地に追いやる冷徹な自己中心主義の陰謀家「金泳三」ならば、国家や国民の利害よりも私利私欲を優先させても不思議はない。 前述の様に、韓国にとって世界最貧国家たる北朝鮮を急激に併合するのは、極力避けたいのが本音であり、何とかして現政権を維持したい処だが、金大統領の個人的事情は、むしろ北朝鮮との緊張増大を望んでいるかに見える。その説明には多言を要すまい。 本年初頭以来、韓国では数十万人規模の労働者スト、デモー公安関係者の見方ではその背後に韓国撹乱を狙う北鮮当局と工作員の暗躍があるというーで、政権の基盤が大きく揺らいだ。更に「韓宝疑惑」、即ち「韓宝グループ」からの不正献金問題で、金大統領は側近の逮捕のみか、次男まで取り調べを受ける直前まで追い詰められていた。その深刻な事態を乗り切るには、権力者の常套手段として国民の眼を外部に向けさせるのが最良の方法である。 十二日から始まった「亡命」騒ぎは、一貫して韓国主導の下で展開された。 「亡命」したとされる黄書記は、韓国安企部の完全な拘束・統制下にあり、その「手記」「手紙」「論文」は、安企部とその背後にいる金大統領の了解の下に、韓国マスコミに流されている。その中で十八日「東亜日報」紙上、「黄書記が相談し亡命に同調した7ー8人の幹部は、全員彼よりも序列が上である」旨の報道がなされた。これが若し事実ならば、韓国側は、北朝鮮の混乱、崩壊を仕掛けた事になる。それは、取りも直さず緊張の激化(国民の眼をそらすための)を望む金大統領の方針とも考えられる。 (朝鮮半島の危機は我日本の覚醒剤) 『終戦』後五十余年、「GHQ反日体制」の下で、自主性・独立性を放棄し、反日・自虐的風潮を持て囃して来た歪で倒錯した現下日本社会は、外部からの強制がなければ正常化しにくい性質を有している。今回の半島情勢は、北朝鮮が崩壊に向かう歴史的必然性の時程をかなり速めたものと言える。 この作られた事件によって、北鮮内部での大粛正は不可避であり、その弾圧に対する一部勢力の反乱、大量亡命、近隣諸国への逃散等が予測され、場合によっては、三十八度線付近での軍事行動、延いては韓国首都京城への直接軍事攻撃の可能性さえ否定できない。 今回の事件で、韓国がたれ流した一方的情報を無批判に受容、論評した評論家、大学教授の如何に多かった事か。日本政府に至っては、対応策どころか殆ど論評さえ求められない有様である。 この「平和ボケ」「反日汚染」社会で『世界戦国時代』に的確に対応出来るのは、独立・自尊・愛国の視点を持つ吾等民族派をおいて他にない。 東亜大激動、大歓迎。太平の惰眠を貪る国民に、五十年振りの夜明が到来するかも知れぬ。我日本民族の清澄な精神が恢復し、再び山桜に旭日が燦然と輝く日、民族は栄光の再生を果たすのだ。 |