第139号  皇紀二千六百六十五年(平成17年) 文月(7月)

『本質』から 「現象」を認識・把握せよ


中山 嶺雄

(「中共」恐るるに足らず)

四月以来の「反日デモ」等で、我国国内の対中共感情は悪化して、民族的自覚もやや高まったが、逆に中共側の露骨にして執拗な対日宣伝工作、圧力は着実に効果を上げ、売国奴コイズミは、四月、ジャカルタで所謂「村山談話」を基調にした「お詫びと反省」を発言し、超売国奴コウノに至っては、中共に呼付けられてコイズミの「靖国神社」参拝阻止を「厳命」され、帰国後、衆議院議長の地位を悪用し、首相経験者五名を集め、コイズミに「参拝するな」と売国圧力を掛ける有り様。その他、我国内外に巣食う「反日保守」勢力は、一斉に「日本国民」の「普通の国化」「民族的自覚化」を圧殺せんと妄動、謀略を強化している。
だが、中共もバカではない。反日反動勢力が猖獗を極める中で、中共の対日認識と対応傾向を判断する格好の材料の一つが七月七日「盧溝橋事件」六十八周年であった。四月以来の「中共官製反日デモ・暴動」等は、「いじめられっ子=日本」を屈服させる為の最も簡単且つ効果的な政治謀略工作として中共政府が組織的に企画、実行したものであった。確かに従来の「日本」ならば、全面的に双手を挙げて降伏し、柔順に隷属する筈で有った。然し、本年の余りにも理不尽な中共の対日攻撃に対して、我国では日頃は中共に隷属している「害務省」や「朝卑新聞」でさえ批判的態度を採らざるを得なかった。所謂「戦後」、GHQ(占領軍)が創り強要したエセ「日本(にほん)」を『日本民族』が否定する『日本化(にっぽんか)』、即ち『日本(にっぽん)の再興』と謂う「日本」社会の本質的変化に、中共政府も気が付かざるを得なかった。其の結果として、七月七日には中共で一切の反日デモ等が起こらなかったのである。端的に述べるならば、日本人の民族的自覚、覚醒傾向が中共当局のチャチな政治謀略を抑制、粉砕したのであった。

(全世界規模の恐るべき自然異変は続く)

確かに近隣反日諸国の動向には大いなる危険性ー例えば北鮮に依る対日核兵器テローが現実在し、絶えず警戒し続けねばならない。だが、吾等『日本民族』は、現在北京で継続中の所謂「六ケ国協議」や国内での「郵政法案」等々、目前の問題への対応のみならず、より『本質的』な観点から全世界の現状を視認、思考し、警鐘を鳴らし続けなければならない。
前年度、全世界で苛酷、苛烈な異常気象が同時多発的に発生した。平成十三年の米国に於る所謂「同時多発テロ」ではたかが三千人足らずの死者が発生したのみであったが、前年の欧州に於る酷暑ではフランスだけでも老人一万余名が死亡し、印度洋津波では二十数万人以上が亡くなった。本年も又、其の傾向は益々増大している。現に、西南欧州の高温旱魃、東北北米の高温、西部印度の集中豪雨等々で、多大な被害が全世界規模にて発生している。我国でも異常なカラ梅雨とその後の集中豪雨等で、大地自然が荒れ始めている。
大陸・半島からの「酸性雨」「酸性霧」「黄砂」「海洋漂着廃棄物」等に因る各種汚染も加わり、我国古来の豊饒の沃野、山岳、清流、海洋等が日夜破壊、汚濁されて行く。我国のみならず、全世界規模の自然破壊は、所謂「地球温暖化」等の災危を齎し、自然界の秩序を根底から揺るがそうとしている。今後十年以内にキリマンジャロやアルプスの氷河は、殆どが消滅するに違いない。正に、地球に巣食う人類と謂う寄生虫が、地球の自然を食いつぶしつつあるのである。

(欧米化の精神汚染が世界に拡大)

自らが其の中から誕生した人類が、其の生存基盤たる大地自然を破壊滅亡ー其れは同時に人類の滅亡をも意味するーさせつつありながら、其の現状を改善させる処か、其の事実の認識さえ十分に出来て居ない現実は、正に恐るべき現存人類の知的怠慢である。
此の現状の背景には、「ユダヤ教」以来の「一神教的歴史観」、「新教主義(プロテスタンティズム)」を基盤とする「資本主義」ー欧州の共産主義、社会主義も同根ー、「産業革命」から発生した「反自然的生産(破壊)技術・能力」、そして、「自由」の名の下に「個人的欲望」を抑制することなく無制限に欲望の追求を容認する「本能放任思想」、此の四者が政治、経済、教育、文化、社会の各方面を支配しているのが、現代欧米社会であり、六十年前に「日本」も其の「文化圏」に組入れられてしまった。
人類が数百万年の長い歴史の中で各文化圏毎に創造、構築して来た自然風土に起因する素晴らしい民族独自の文化が、低級劣悪且つ危険な「欧米物質文明」の物理的破壊力に抑圧、圧殺され、異常且つ異様な「現代欧米論理」が全世界を精神汚染させつつある。人類の存続を否定する同性愛、同性婚を認め、離婚、離縁を奨励して家族の絆ー家族は社会の最小単位ーを否定し、ポルノグラフィー等の反道徳的本能表現を放任し、利潤追求の為には平気で自然破壊や戦争をも行う。其れで居て「一神教的歴史観」に基づき、未来は神の国に近づくのであるから、「拡大再生産」に因る人類滅亡の可能性に付いても何ら心配はしない。
欧米、「日本」等、全世界の一部が齎せた自然破壊だけでも多大な悪影響を及ぼしたが、現在、「欧米物質文明」の悪弊が所謂「先進国」の枠組みを越えて、所謂「開発途上国」に迄、拡散している。取分け「中共」「印度」両国合計二十五億人が資本主義化する事での物心両面での汚染は、全世界に危機を齎せている。

(欧米化、及び「猿マネ欧米化」への         様々な反動、反撃、糾弾現象)

歴史家アーノルド・トインビーが、其の寿命故に論理化出来なかった現代欧米文明は、前述の如く「一神教的歴史観」「資本主義的価値観」「物質優先思想」「本能的欲望是認・放任」「個人中心主義」と言った二百五十年前には想像も出来なかった反人間的論理を基調にしている。所謂「フランス革命」と「産業革命」あたりから顕著になった此の年若い発想は、トインビーが「文明圏」と見做した三十近い歴史上の価値観から異質なばかりか、現存する多くの民族的、宗教的価値観とも異なって居る。               而るに此の現代欧米物質文明は「拡大再生産」を存在の前提にするが故に、異質な文化、価値観への絶え間無い接近、進出、侵略を継続する。無論、軍事的に圧倒的な戦闘能力を保有する米国等は、正面切って戦えば一時的には必ず勝利する。二度の世界大戦で戦勝国と成った米国等は、敗戦国や敗戦地域に自らの価値観を強要し、「欧米化」地域を拡大して行った。                然し、実質的に二十年間続いた所謂「ヴェトナム戦争」で米国は敗北した。世界最大の軍事国家がヴェトナム民族主義に勝てなかったのである。同様にソマリア民族主義にも追い出され、所謂「同時多発テロ」後に攻め込んだアフガニスタンでも「点と線」を維持、占領しているに過ぎない。所謂「イラク戦争」では、侵攻以前に筆者等が予測していた通りに展開し「第二のヴェトナム」が現出している。米国のみならず、アフリカの「象牙海岸」や「ガーナ」等でのフランスの軍事介入も決定的な解決策を見い出せないでいる。所詮、長く広大な人類の歴史で、極一部分に過ぎない「現代欧米物質文明」の価値観を「人類普遍の真理」等と決めつけて宣伝し、異質な其れを保有する地域や人々に強要する事に、根本的な無理があるのである。
此の「欧米化」に反対する世界的動向の中で、最も過激且つ直截的行動を採っているのが、「アル・カイダ」等のイスラム原理主義勢力であって、イスラム教ーイラク、イラン、アフガン等々ーに限らず、ヒンドゥー教、クリスト教正教各派、共産教各派ー中共、北鮮、キューバ等ー等々、反欧米勢力は、分断されてはいるものの、各地で果敢に闘争、反撃している。吾等は、無論、反日中共、北鮮等に対しては敵対する者であり、イスラム教に与するものでもないが、「最大最悪の敵」たる「現代欧米物質文明」への反対勢力としての
彼等の存在価値は十分に認識、配慮すべきである。

(「汚れ」「不自然」「反自然」の撲滅を)

豊饒なる人間『精神』の「物質」文明に対する優越性こそ、『形而上的価値』を創造、確認した人類の叡知であった。其の叡知に拠って、吾等人類は、目先の具象的物質や現象を超越した精神的、抽象的思考、洞察、認識、判断が可能となった。そして、一般生物には存在しない高度で複雑な『人間社会』を建設し、其の秩序を効果的且つ安全に維持する社会規範を策定し、暗黙の『道徳律』を涵養し、其れを徹底する為に強制力として「法律」をも制定した。
 其の一連の『人類の叡知』の根底に流れる真理は、『自然法』ールソー的発想ではなくーと表現しても良い。自然から生まれた人類、そして、高度な社会生活を営む人間が、自己を肯定して充足した生活を楽しむには、自らを生み育んだ『自然』に反する事をしてはならない。ましてや破壊する等、以っての外である。人類は、居住環境に因って、自然観に多様な価値観を保有している。極北のイヌイット人(エスキモー)やラップ人にとって、自然とは厳寒以外の何物でもなく、砂漠地帯に居住するベドウィン族やカザフ族にとって白昼の散歩は天然ミイラへの道程に過ぎない。自然を『友』とする事が不可能な其れらの地域でも、イヌイットはカリブー(トナカイ)の生肉を食べ、砂漠の民は夜間に旅し、苛酷な自然の中で『自然法』に順応して来た。 そして、『自然』と『人間』が最も調和した生活環境が、四季折々の美しい変化に富む我日本の自然、風土、文化、伝統、道統である。我国には、『自然』と『人間』の『共生=一体化』の伝統が生き続けている。我国の信仰である『神道』が最も忌み嫌う「汚れ」は、言葉を変えれば「不自然」「反自然」と表現しても良い。『日本的』『自然的』『神道的』観点から「現代欧米物質文明」の本質を把握、認識した時、其の反人類的、反自然的、破壊的本質が明確に認識されよう。

(「激動」こそ『民族再興』の好機)

『日本及び日本的なるもの』が、高雅にして、自然に順応し、豊饒なる伝統を醸し、万邦に優越した如何に世界に冠たる文化の粋であっても、所謂「戦後六十年=反日洗脳六十年」を経たエセ「日本」では、認識、受容されにくい。人類の存続の為に世界を領導せねばならない我日本ではあるが、現実には、マス・メディアと日教組学校に依る反日教育で、「情報と教育」が完全に「反日」に支配されているのが実情である。世界に呼びかけ、領導する以前に、歪なエセ「日本」社会を、『本来あるべき日本』に回帰させ、偽りの「日本」を『真正日本』に復帰、復興させなければならない。
だが、日本の過去を顧みる時、国内外の圧力無くして大いなる社会の変転はあり得ない。本年一月の『一日会』にて、『コイズミ政権は後一年も持たない。国民の支持を背景に保って居た政権が其の支持を失い、郵政民営化問題あたりで党内の反駁に遇い、年内に崩壊するであろう』と愚生は断じて居た。現状は其の予測に近づいて居る。
国内の激動のみならず、東亜の政治、経済情勢も大きく変動する可能性が大である。即ち、北朝鮮情勢、中共経済情勢、台湾海峡問題等々、加えて「京城・平壌・北京・モスクワ・ワシントン反日枢軸」ー北鮮政権温存、経済再建の為に「日本」から必要資金を絞り取る事を共通目的ーに因る対日攻撃、非難、圧力、搾取、収奪、強奪等々が多発して来る。
中共の「反日デモ」や北朝鮮にサッカーで負けた事で『民族意識』『国家意識』を抱懐しつつある『日本民族』は、「GHQ反日体制」に依って忘失させられた高貴なる『民族精神』を今や復活、再興させつつある。
無論、一挙に、簡単、単純に『民族再興』と『人類存続』が実現する訳ではない。だが、毎朝起床して、激動の国内外の新たなる情報ーより好ましいーに接する期待感に胸を膨らましているのも事実である。  『皇國再興万歳』


尖閣諸島死守!
竹島即時奪還!
新南群島回復!
全樺太千島要求
正当なる民族の声を国際社会へ