第150号  皇紀二千六百六十六年(平成18年) 水無月(6月)     TOPへ戻る

『反米は死なず、消えず高まるのみ                         

(反米の同志、ザルカウィ氏の屍〉

過目、イラクでイスラム原理主義者ザルカ ウィ氏が、米軍の攻撃で戦死した。面識も交 流も一切無かったが、『反米』との価値観を 共有する意味においては、間違いなく同志で あった。約三十億円もの懸賞金を懸けられ乍 ら、二年余りも十数万人もの米軍相手に戦っ た遊撃戦の天才が、遂に米軍の科学戦に敗北 した。だが、完全な敗北ではない。米国及び 米軍の弱体性を晒す結果をも証明した。
米軍のザルカウィ死亡確認発表を聴いて、まず感じたのは「偽情報」であった。アラブ世界は平気で虚偽の宣伝情報が乱れ飛ぶのが常であり、まず「ウソ」と疑ってから情報の真偽を確認する姿勢がなければ、簡単に一蹴さ
れてしまう。今回も全面的に疑う立場から国内外の情報を考察したが、次第にザルカウィ氏の死亡が確実なものに認識されて来た。
だが、米軍の発表には大いなる疑念が当初 から明白に看取された。米軍発表では、「イ ラクのアル・カイダ組織内部からの情報でザ ルカウィの潜伏先を突止めた米軍は、空軍機 から五百ポンド精密誘導爆弾二発を潜伏先の 民家へ投下、その後、イラク警察と合同で民 家を包囲して、男性四人、女性一人、子供一 人の死体を発見、ザルカウィの指紋を確認し、DNAを鑑定中」と謂うものであった。日本の各メディアは何の疑問も表明せずに、此の
作為的な発表を鵜呑みにして報道した。翌日、米軍は「逮捕当時ザルカウィは生存していたが、病院へ運搬途中で死亡した」と発表を修正した。
此等の声明は、過半数が虚偽である。
まず、ザルカウィ組織内部に協力者(スパイ)がいるのならば、その貴重な情報源を公表す るはずがない。内部情報云々の発表は、逆に 其の事実が無く、組織内部の疑心暗鬼に基づ く対立と混乱を期待した戦術であるのは間違 い無い。更には衛星放送等で流れた現地の映 像では、当該の民家は完全に瓦礁の山であっ た。其れはそうであろう。五百ポンド爆弾と 言えば、我軍の二百五十粁爆弾に相当するの である。数千屯の船舶が一発で轟沈する爆弾 である。居住者は五体粉々に飛散して死体の 確認等困難を極めるのは間違い無い。処が、 米軍発表のザルカウィ氏の死亡写真は頬の一 部等に負傷の跡が見られ、鼻血が出てはいる ものの、略完全な形態を留めている。又、粉 々になって年齢、性別不明のはずの子供、女性の遺体が当初から確認されている。此等の事実はい民家への攻撃が爆撃よりも前に実行された事を証明している。米国のイラク侵略当初、サダム・フセイン大統領暗殺の為にスパイ!当初から情報大臣が怪しいと脱んで居たが!の情報で同大統領への空爆を行い、失敗した米国及び米軍は、爆撃で確実な個人への殺害が実行、確認出来るとは考えていない。
目視した目標に確実に銃弾を撃込み、眼前で其の死亡を確認するのが必要条件となる。今回も科学的諜報活動で居場所を発見、確認した米軍は、同民家を完全に包囲して外部と遮断した上で、特殊部隊を突入させ、内部にい る人間総てを発見次第に射殺する作戦を採ったと見られる。米軍の作戦は自軍の戦死を極度に警戒する。たとえ「女子供」と雄も、アル・カイダの家族であれば自爆攻撃を仕掛けて来 る可能性は十分にあり、又、ザルカウィを生
かして逮捕すれば、フセイン大統領の様に、法廷で英雄に祭り上げてしまう。民家内部の総ての人聞を殺害する任務を与えられた特殊部隊が、其の任務を忠実に果たした。
だが、当時、米国最大の問題は、ハディーサ等での米軍に依るイラク民間人l女性、子供を含むi虐殺問題であった。ザルカウィ殺害がブッシュ大統領の得点になっても、「女子供」を同時に虐殺したとなれば、戦果、宣伝 効果も半減する。故に、爆撃で証拠を完全に 隠滅すると同時に、死亡した女性と子供の死 因を爆撃に巻込まれた偶発的な事故としてメ ディアの非難をかわしたのである。
ザルカウィ氏は米軍の攻撃で戦死した。然し、其の屍は、米軍発表の虚偽を鮮明にさせた。『反米は死なず、消えず、高まるのみ』


〈本当に日本人が殺されたのか〉

 ザルカウィ氏を『同志』呼ばわりすれば、 大多数の日本国民に非難されるであろう。否、 多くの同志、同憂からも辛妹な批判、攻撃を 受けるであろう。
無論、ムスリムではない吾等『日本人』に執っ て、彼が十全の同志たることは有り得ない。 増してや彼は旅行中の「日本人」青年を殺害 し、「日本人」外交官を殺害した勢力とも関係している。だが、本当に日本人が殺されたのか。「日本人」として殺された二人の外交官は、死後に公表された文章から判断しても、完全に米国的価値観、歴史観に毒された保菌者であった。
「GHQ反日支配体制」の下で米国的反日論 理、価値観に何の疑念も持たず、米国に依る 『日本人』同胞大量虐殺と日本民族精神文化 抹殺謀略の洗脳を受け、十二才処か、三才児
程度の認識力でしか『日本民族精神』を把握

出来ないエセ「日本害務省」の役人に、果し て司日本人』たる資格があるのか。平和を愛 好する我国を苛め抜いて「最初の一一発」を撃 たせて戦争に追込み、我同胞を大量虐殺した 米国に盲従して、我国への侵略と全く同様の 方法でイラク侵略を強行する米国のお先棒を 担ぐ者は「国賊」であり「売国奴」である。
「対米隷属」「親米派」は、「東京」「広島」「長崎」等々で生きながらに焼殺された無数の同胞、取分け無事の子供やご婦人、お年寄りの被害者に対する民族的連帯感、義務感を喪失した「民族の裏切者」である。
「小泉首相」「汚沢民主党首」始め、『大東亜戦争』の世界史的意義を忘失した対米隷 属、GHQ体制盲従分子共には、平成三年の 所謂「湾岸戦争」以来継続している、米連邦 の衰亡、混乱、分裂を惹起すべき『大西亜戦 争』の世界史的推移を認識、理解する事は不 可能である。現在進行中たる『大西亜戦争』 の中心地、イラク、バグダッドに、イスラエ ル経由で流れ込み、反米勢力に位致、斬首さ れた一日本人青年は、或る意味に於て現在日 本人の象徴的存在である。
個人的には好奇心に溢れた前向きで善良な好 青年ではあったろう。だが、「GHQ反日支、 配体制」の学校、社会狂育で「反日」と「諸 国民の公正と信義を信頼して、われらの安全 と生存を保持」する洗脳を受けた同青年の国 際感覚、国際常識、国際知識は、自己の安全を保障する能力を当初から喪失させていた。
GHQ的感覚で米国的価値観に支配された非日本人的「日本人」が、反米戦争真っ只中の戦場に夢遊病患者の如き藤鵬とした意識で迷い込んだ。此の自己自身に対してさえ無責任な所謂「戦後日本社会」の非自主性、非主体制、非独立性、そして無知蒙昧さ加減は、所謂「戦後日本」の愚劣さの極みとして強く認識、強調されるべきである。
 無論、アラブ、ぺルシア、。ハシュトン等の反米民族、勢力の闘争方法には、五口等『日本民族』のそれとは大いなる差異が存るのは当然である。吾等真正『日本人』は、『士道』に基づいて敵武装勢力や戦闘員とは戦うが、一般民間人、ましてや「女・子供」を爆殺する等、思いも及ばない。此 の『士道』とは「武士道」よりも一段と高位の道徳である。
「武士」とは我国の社会階層であり、社会的地位をも意味するが、其の身分的発想や心理的拘束を超越して『国土』たる者の生き様、死に様が『士道』
である。
タリバン、アル・カイダ、イスラム聖戦機構等々が起こす「無差別テロ」は、 の立場からは承認出来ない。だが、『日本民族』アラブ、の「国家テロ国家」が非難、論難する資格は 無い。第二次世界大戦から今日迄、米国がど れ程多数の民間人!女・子供を含む!を殺し て来た事か。英国、仏蘭西、支那、ロスケも 同様であり、大戦前迄含めれば、其れこそ残 虐非道の数々を極めた「欧米列強」諸国が、 西南亜細亜諸民族の野蛮性を批判する等おこ がましい。
 ならば、一人の外国人をも殺さなかった所 謂「戦後日本人」には、アル・カイダ等を批 判出来るのか。無論、否である。「戦後日本 人」は「GHQ反日体制」の支配下に盲従し て安住する主体制無き亡国の奴隷に過ぎない。 人類の歴史で、奴隷に戦争参加の栄誉を与え た例は殆ど無く、奴隷にテロを含めて他者を 殺害する自由は無い。「GHQ」更には「連合国〈所謂国連〉」の支配下で、人間的、民族的な心身の自由を束縛、圧殺され、辛うじて衣食住の動物的本能充足のみを許されているに過ぎない低級劣悪怯儒な現下非日本的「日本人大衆」に、「イスラム原理主義」を誇らしげに掲げ「聖戦」に参加して自爆攻撃l吾等恥無差別テロは承認しないがーを敢行するムスリム達を非難する資格は無いのだ。イラクで殺されたとされる「日本人」は、米国を始めとする「反日連合国」が策定、強要した「GHQ反日体制」に依って、『日本人』としての民族性を既に殺されていたのであり、イラクで死んだとされる「日本人」は、精神文化的には「抜け殻」に過ぎなかったのである。


〈世界で高まる反米と 「日本」で強まる親米)

 人類も自然から発生した生物の一種であっ て、自然状態では自ずから同質的な人間集団が自然条件の下で共同生活を行い社会を形成 する。
其の最も自然で最大の社会が、言語と
宗教を共有する『民族』である。更に大きな社会として「国家」が必要に応じて構成され て来たが、大部分が複合民族国家である「国から分解、解体、滅亡を繰返して来た。
例えば、一口に「古代エジプト」と言っても、 ピラミッド〈アル・アハラム〉を築いた「ク フ王」とアマルナ芸術で名高い「イクナ1ト ン」、或はギリシア系プトレマイオス王朝の 「クレオパトラ」とを比較すれば、人種、民 族、言語、宗教等の多くが異質なのである。 当然、現在のエジプトも又、其等と全く異質 の国家を形成している。
此等世界史に枚挙の暇が無い程の国家興亡史 は、此処百年を回顧しただけでも、欧州大戦 終了時に於る独露填三大帝国の滅亡、第二次 大戦では大英帝国の衰亡、冷戦では蘇連邦の 解体等を質せている。次は、ロスケ、そして 「米国」が衰亡、解体するのが歴史の必然で ある。何れの大国も其の最盛期には、衰亡、 滅亡等は誰も予測しない。だが、歴史を怖服すれば、『盛者必衰の理』は真理である。遠望する迄も無く、此処五十年の「日本」を回顧しても昭和四十八年の「石油危機」迄の高度経済成長期には「二十一世紀は日本の世紀」「ジャパン・アズ・ナンバーワン」等と、金と物だけを追求する下賎なエセ「日本人」共が、「親日」を装う外国人に煽てられて喚いていたでは無いか。
 其の歴史的必然性から解体の運命にある米国が、建国以来の宿命、即ち「プロテスタンテイズム」の属性から、全世界に其の低劣な価値観を強要し続け、又、世界各地から膨大な資源と財貨を収奪しつつあり、全世界の異質な価値観と利害関係から生ずる反撃に、現在苦慮を余儀なくされている。
米国の裏庭たる中南米の多くは、露骨な反米を主張、実行しつつあり、曾ての様にCIAの謀略で政権打倒を図る事も出来なくなっている。『神風』前号でも指摘した様に、「イラン」に反抗されて妥協し、「北鮮」に誘導弾等で振回され、「シリア」「リビア」「白ロシア」の独裁者も追放出来ず、友邦たるべき「欧州連合」でも評判が悪く、今や全世界で「反米」の動向が高まっている。
 処が、「世界の常識は日本の非常識、日本 の常識は世界の非常識」と言われる様に、 「極東」l曾て独立国であった頃は「大東」 「日東」等と自称していたが!の対米隷属国 「日本」では、社会の上下、老若を問わず、 「親米」「米国化」が加速している。国民の 意識調査でも米国への好感度は高く、甘え意 識からの文句は有っても、実態は米国保護領 の域を出ていない。米国万歳の「首相」から、 低劣な米国文化の猿マネの醜悪な姿を恥ずか し気も無く晒し、街々に屯す粗大生ゴミの群 々に至る迄、『日本』らしき『品格』『品性』 が全く枯渇した惨憎たる窮状が砂漠の荒野の 如く陰惨に展開している。「日放協〈NHK〉 」は、米国の所謂「スポーツ番組」を自国の様に垂流し、大衆芸能界では米国人モドキの猿共が喚き散らし、学校や学習塾、予備校等では「GHQコミンテルン合同反日歪曲担造史観」を基調とする「反日狂育」が堂々と全面的に国民へ強要されている。「ワシントン」や「リンカーン」は教えても、健れ多くも『神武天皇』『後鳥羽上皇』の御存在や御理想は教えない。
全世界市資源獲得、確保の自国中心政策を採り、自民族の尊厳を高らかに謡歌する国際情勢の中で、「普通の国」意識が高まって来たとば難も急速な米国化の進行は『日本民族』の危機を明確に物語っている。


〈『単一民族国家』の優位性〉

 前述の如く、『民族』よりも不自然な人間 社会である「国家」は、歴史的には一時的な 存在であって容易に変質、解体、滅亡する要素を内包している。
だが、総ての事象に例外はある。此の歴史的 必然に適合しない国家が歴史的に実在してい る。当然、我『皇国日本』である。
『古事記・日本書紀』伝承に拠れば、実に二千六百六十六年の長期間に渡って『すめらみこと』を祭杷の長と仰ぎ『一君万民』『君民一体』の家族民共官一件たそ一くに』を維持し て来た我国には、『園韓』の変更、即ち「国 家」の滅亡は無かった。其の最大の原因は、 周囲を海で防禦された地政学的地理環境にあ るが、同時に四季の変化が有る豊鏡の自然環 境が『日本民族』の温和豊潤芳醇の民族性を 育成し、其の民族性が高度の精神文化に昇華して、『高度文化国家』を形成、完成1遅くとも江戸期には!させるに至ったのである。そして、此の秀麗の園土に世界でも希有な安全豊潤な生活を享受する社会を成立させたのであった。
 そこで証明されたのは、『単一民族国家』 の「複合〈多〉民族国家」に対する優位性で ある。共通の言語、歴史、宗教、慣習等の精 神文化を共有するが故に社会的結合が強固で 地縁的、血縁的同族意識が篤く、構成員の相 互理解が容易であって争いが少ない。
人類の人口激増圧力に因って全世界が資源争 奪の戦国時代に突入している現下の国際社会 に在って、人類が理想、目標とすべきは、旧 蘇連邦型の「コミュニズム」でも無く、米国 型「プロテスタンテイズム」でも無く、ユダ ヤ商人や華僑に因る「キャピタリズム」でもない。
自然から発生、成長した人類が、其の生息地の自然環境に適した固有の精神文化と物質文明を護持しつつ、『足るを知る』精神で自然と共に謙虚に生活し、各民族が『単一民族国家』を建国、維持する権利を『国際法』で承認し合い、『相互不可侵』の原則を徹底出来れば、世界の紛争、係争の多くは防ぐ事が可能となり、多くの問題点が解決するであろう。
そして、何よりも「人類の滅亡」が防止、又
は遅延すると考えられる。
 其の為には、愚劣極まりない「国際化」「グローバル化」「米国化」等々に複合汚染 されているエセ「日本」を、一刻も早く真正 『日本』に回帰させねばならない。
吾等『民族の尖衛』たる者の使命は大きい。