入学式を終えて

                                         南口龍一

新年度がスタートした途端、毎日目の回るような忙しさに追いかけられています。
 さて、遅くなってしまいましたが阿倍野高校の入学式について報告いたします。片
平校長が定年退職されて、新しく前田校長が来られました。教育委員会に18年もお
られたとのことです。その後、狭山高校の校長を3年勤め、このたび阿倍野高校に来
られました。
 前田校長は阿倍野高校の卒業生(18期)でもあります。体育の教師でラグビーが
専門です。大変実力のある方で、全国高校総体の会長を今も兼任しておられます。
 前田校長は狭山高校で見事な卒業式を成し遂げられたと聞いていたので、今度こそ
大丈夫だ、立派な校長が来られたと嬉しく思いました。
 4月8日、入学式。国歌斉唱の発声に教職員は全員起立しました。前田校長は壇上
に上がると、まず国旗に正対して深々と一礼されました。次に来賓席に向きを変えて
一礼。そしてゆっくりと壇上の中央に向かって歩をすすめられました。
 新入生とその保護者数百名を前にして校長の口から出た言葉は、「皆さん、日本は
いま大変な時代を迎えております。我が国の伝統と文化が史上まれにみる危機に瀕し
ています。・・・阿倍野高校に入学を許可された皆さんには、どうか日本の素晴らし
い伝統と文化を今後も継承できる人間になってもらいたいと思います。・・・ ・・
・・」
 私は瞬きをすることも忘れて前田校長の一挙手、一投足を見つめていました。校長
先生の口から発せられる言葉に聞き入っていました。前田校長は新入生や保護者の眼
前で国旗に深々と一礼し、開口一番「日本の伝統と文化」について触れ、「これから
の日本を背負える人間」になれと言ったのです。何と素晴らしい入学式なのでしょ
う。こんな完全無欠で立派な入学式は見たことがありません。校長が替われば、こん
なにも劇的に変わるものなのかと感心しました。誠に感無量でありました。