設立趣旨

 豊中市立の小中学校では、これまで個人の人権を重視しすぎるあまり、何事においても差をつけることは平等の考えにもとるとして、学習指導要領の形骸化、通知表の二段階評価、運動会の等旗廃止などに象徴される「評価をしない」「順位付けをしない」などの「行きすぎた平等教育」が当然のように行われてきました。また、教職員組合による勤務評定や主任制への反対行動、入学式・卒業式での国旗国家の反対など、校長権限を無視した現場教職員と校長との対立、こうした問題に対して「事なかれ主義」「隠蔽」「問題先送り」に終始し一向に指導力を発揮しようとしない豊中市教育委員会の体質などが、一昨年からの新聞紙上による一連の報道で市民に明らかにされたことは記憶に新しい出来事です。

 こうした中にあって、すさまじいまでの日本の教育の荒廃を立て直そうと、教育改革国民会議を昨年12月、内閣総理大臣に最終報告を提出しました。17の提案からなる報告書の骨子は「人間性ある日本人を育成する」ために「教育の原点は家庭にあることを自覚する」「学校は道徳をおしえることをためらわない」ことに始まり、新しい時代を生きる日本人の育成、伝統、文化の尊重発展の観点から教育基本法の改正をも視野に入れた一大教育改革の必要性を訴えております。

 一方、中央教育審議会の答申では「子どもたちの教育は単に学校だけでなく、学校・家庭・地域社会がそれぞれの適切な役割分担を果たしつつ、相互に連携して行われることが重要」としていますが
学校は「いじめ」「校内暴力」「不登校」「学級・学校崩壊」「学力低下」「問題教員」に手を焼き、家庭での親は教育力を喪失し、都市部の地域コミュニティはますます機能しにくくなってきており、互いに連携するどころか、先ず学校・家庭・地域社会それぞれの機能回復から始めねばならない状況です。

 こういった現状のなかで現代の子ども達は将来に夢を見出せずにあえいでおり、目標もなく刹那的な享楽に身を投じていると嘆いてばかりいるわけにはまいりません。原因は本来は親が主体的になすべき躾や教育を学校や他者まかせにし、親としての義務を放棄してきたわれわれ大人にあることを反省すべきです。

 戦後、学校では日本の歴史と伝統を悪と決め付け、平和教育の名のもとに反日的、自虐的な歴史教育を子ども達に行い、日本人としての自信を誇りを失わせるような教育を施してきました。先人の残した知恵と文化、国家観や家庭観、善と悪を仕分けできる心を育てるはずの道徳教育を排除し、個人の権利を何物にも優先させる人権教育に代表される「左傾教育」の成果は、現在の日本の国の姿、国民の心の中に見事に反映しているといえます。

 このように荒廃しきった教育を再生するには国や地方教育委員会の努力はいうまでもありませんが

制度の改革だけでは決して解決しえるものではありません。加えて「将来の国を支えていく国民を育てる」ための教育を取り戻すためには、今こそ国民自らの前向きな取り組みと不断の努力が必要とされます。

 したがってここに我々は、座して教育改革を待つのではなく、自ら教育改革の能動者にならんと、

「教育オンブッド豊中」を設立しました。我々納税者の貴重な税金が公教育の場で適切に使われ、一般の良識ある国民・市民から支持される教育実態となっているかどうかを監視し、豊中市の教育正常化に寄与して行きたいと念願するものであります。

      平成13年3月1日