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平成16年6月29日西山田中学校長、野村教諭、保護者面談








校長 :
 
野村 :
 






保護者:

 西山田中学校長、野村教諭、保護者面談      
         平成16年6月29日  西山田中学会議室 16時〜18時20分
        同席者  松岡校長 野村先生 (保護者)海江田、広光、水野、西谷、オヌマ



野村先生の授業は素晴らしく、色々な所からも講演依頼がたくさんあります。西山田中学の「売り」「顔」のような先生です。
コンドームを使っての性教育は、30年前の山田中学の時からやっていた。コンドームは授業で使ったら、全部回収して、袋のゴミまでちゃんと管理している。現3年生が2年生のときに、西山田中学内にコンドームが捨ててあったことがあった。ここ10年はコンドームを個人で用意していたので、授業では一個だけ使用していた。4年前、性教育の勉強会(全国)で、誰かコンドームいりませんか?といわれたので、手を上げて、期限切れのコンドーム3箱を全部貰った。コンドームをつける練習をしないといけないとは言ったが、練習しなさいとは言っていない。保健の授業に10時間かけて、最後の授業でコンドームの授業をしている。背景は性病が10代20代で爆発的に増えているということである。今日は、こういう場が持ててうれしい。
昨年、授業を受けて泣いていた子や、嫌々コンドームを触った子供がいたと聞いているが、その後のフォローは、子供、保護者に対してはどうされたのか?
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 泣いていたのは、私の話を聞いたからであり、コンドームを触ったからではない。コンドームを一人一個ずつ配っても、生徒は触ろうとしないし、触ることに抵抗がある。コンドームに皆さんの生命や人生がかかってくることがあると言うことを言っている。10代の妊娠、中絶が増えている。10代の出産(10代と言っても幅広く小学生〜20代近い)が増えている。教師として、心身ともにしっかりとした人間になってほしいが、子供達を取り巻く環境を考えると、私はHow to sex を教えようとしているのではない。だけど、やるなと言ってもいろいろな誘惑がある。心無い大人によって、性のターゲットにされている。充分な時間をかけて、保健の授業で生命の素晴らしさを教えている。女、男を肯定する立場であってほしい。残念ながら性に伴うリスク、生命がわずらわしいものになったりする。何故なのか。性が人間の思惑をこえた自然界・・・
避妊は重要で、選択するのは本人である。Sexをする、しないは個人の選択である。私学の学校は、宗教的バックがあるので、sexはしてはいけないと教えられるが、公立の学校では、そのようなバックがないのでしてはいけないと言うことは、教えられない。
子供達の成長の幅が大きい年齢であり、その個人差についての配慮はどうされているのか?また、男女別々に授業をしてほしい。
男子と女子を別にすると、お互いの授業が気になって仕方ないので、男女一緒の授業でないと意味がない。コンドームの授業で泣いている子はいません。何故コンドームが必要なのかという授業をしっかりとやっている。インフォメーションとして教えている。
インフォメーションとしては、そこまで必要ないのでは?
私にも、何故ここまで教えないといけないかという気持ちはあるが、コンドームを正しく使うことは、こんなに難しいものだと教えている。ラブホテルの側にある高校に講演に行った。野村先生にあそこまで言ってもらわないと、ダメです。とPTA会長に言われた。その高校の生徒は、昼休みにもラブホテルに出入りをする。今の子は、性衝動を止められない。男の子達に聞いたら、女の子が生理中でも関係ないという。行動を起こす時に、いろんなリスクがあるということを教えている。そのリスクを越えて行動する。
先生は、コンドームを授業で取り入れているが、その目的は何ですか?
避妊と性感染症を教えるためです。コンドーム以外は高額であるということ。現実には、性に無知な中で行動を選び、望まない妊娠をして出産。(人生をかけて償いをしていかないといけない)という結果が増え続けている。その中で、私は何ができるのか?二人きりになりたがる子供達、誰もいなおいところに行きたがる子供達。そこでの性衝動を抑えることができるのか? ハワイ大学で聞いた女性(精神的性は男性)から聞いた。 男性の嵐のような性衝動、女性の性のしんどさの話など・・・。 性行動を選んだとき、女性の性をわかってもらうしかない。そこでそれをお母さんが教えてくれるのですか? 問題を起した子供には、誰も教えてくれなかった。
まだ幼い子供達にそこまで話をしないといけないのか?
具体的な性行動を起すのが高1。その時に誰が教えてくれるのか?高校や他校からも是非野村に来て欲しいと言われて行くことがある。ある高校は、夏休み前になると、いつもあの話をしてくれと言われて講演に行く。そこではコンドームは配らない。夏休み前の話で、目に見えて高校生が変った。妊娠がなくなった。保護者: 話だけで充分伝わるのであれば、授業でそこまで(コンドームを使って)やる必要はないのではないか?教育基本法から外れているのではないか?
何で私が、そこまでやらないといけないか?という気持ちはある。じゃあ、お母さんがそこまでやってもらえるのか?やってもらえるなら教える必要はない。今一番危機を感じているのは医者。妊娠、中絶が増えているが、子供達が、コンドームを知っているがやり方がわからない。お母さん達が教えるのであれば、先生が教える必要はない。
子供がどんな授業を受けているのか知らない。親にどんな授業をしているのか知らせてほしい。事前に知らせてもらえると親がフォローできる。
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子供達にとっても微妙なことなので、親に言わないのでは?
学校と家庭で何のコミユニケーションも取らない中で、授業が進んでいくのは問題ではないか?
野村 : 子供自身が親に話さないのは、親として不安なのはわかる。コンドームのことは、スウエ―デンでは、性交を持つ前に教えたほうが良いとして、小学校3年生で教えている。一人の母としては、我が子の性格、状況を見定めながらタイミングを見て話すだろうが、公立中学校の教師として、現実に性行動を起して、中絶を繰り返す子供たちをたくさん見ている。その子供達は満たされないものを抱えているのが原因。この子たちに、誰が、いつ教えるのだろう?親はアテにならない。心情を汲み取ることもしない。高校側は受験でそれどころではない。
コンドーム教育が米国で実施されたが、10代の妊娠、中絶、性感染症を低下させることができず、近年は禁欲教育、純潔教育に変わってきている。発言力を持った先生には、マスコミや対外的に子供達を守る側に立って発信してほしい。
それは私の仕事ではない。わからない親や本人を説得することは私のすることじゃない。子供達が妊娠して中絶を繰り返す、そんな子供達を前に、たった一人で出来ることは限られている。私はNO sexも選択肢であると言っている。
自分達が責任を取れない時期だから、したらいけないとはっきり言ってほしい。ダメときちんと言ってほしい。
親がアテにならない。親が言ってくれたら、こんな現実にはなっていない。親がきちっと言ってくれたら、こんなことは言う必要はない。劣悪な状況にいる子に言ってくれない。私が親でないから関係ないというのは簡単。でも教師の良心として、私ができること、私が言わなかったら、じゃ、高校の先生は受験でそれどころではない。でも現実には高1で、妊娠、中絶、いっぱい起こっている。生理中でも関係ない。教師として、考えが甘かったね、アホなことでしたね、では済ませることはできない。そういう子供達を見る中で、私はコンドームを選べとは言っていないが・・・。授業で、中絶で女性の身体がどうなるのか、正しいことをみんな知らない。INDや他の方法も調べたが、高校生が手に入れるようなものは、コンドームのみ。完全な避妊はNO sexしかない。そう言ってもきかない。教える時期を選んで、説明して済むのなら、苦労しない。そういう子供たちに何を言えばいいのか? 実際にコンドームなしで、妊娠し、中絶したらどうなるか話すと、男の子はみんなびびっている。妊娠の現実、減るものじゃないからやらせろ、妊娠したら中絶したらいいという考えでは、こういうことになると教える。何で言ってくれなかったと、そのとき言っても遅い。家できちんと教えてくれたら、私が教える必要はない。生活指導では、父親が子供を強姦することも、妊娠、出産することも実際起こっている。そういう大人を誰が作ったのか。私は未来の大人たち(子供)のために教えている。相手、自分を大切にすること、sexのことも自分できちんと捉えて、自分で選ぶ。その結果何が起こるのか、わかった上で自分の性衝動と戦うことも大事。コンドームを使えばいいやん、と言うが、そんな簡単なものではない。そういう時期がいつくるかわからないが、2人きりになって、いよいよそのときにポケットに忍ばせて、実際にコンドームをするするとつけられなかったらどうするんですか? 性衝動を止められない、生理でもやってしまうような子はどうするのか?
コンドーム教育が助長することにならないのか?
それはない。私は自信を持って、無いと言える。授業では子供達にsexを舐めてかかったら大変なことになる。ノリでやってしまったりすると大変なことに」なると思い知る。ちょっとしたノリや小使い稼ぎでやると大変なことになると思い知るんですよ。
保護者: 思い知るような話であれば、子供一人一人に配ってまでする必要はない。
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その気持ちはわかるが、家でやってもらえるのであれば問題はないが。 私はいろんなところから、現実の状況が、医師、人間工学の先生らから入ってくる。それを聞くと、いても立ってもいられない。目の前の子供たちにはせめて自分がやらなくてはという思いでやっている。家庭でやると断言してくれるのであれば、私はやりません。
先生の指導には、コンドームを除いてくだされば賛同します。
じゃあ、使い方を教えてくださいますね。お母さん。それを伺いたい。
親は全員がそこまで教えて欲しいと思っているのか?
子供は触るのも嫌がっている。わかっている。では、子供はいつ見るのか? 自分がsexをするときに見ては遅い。自分の子供が妊娠してもいいのですか?  私は、自分の子供がそうなっては困ると思ってやっている。お父さんはどう思っているのか?男の人がなぜコンドームなしで出来るかというと、女性のしんどさ、リスクをわかっていないから。  いつ誰が教えるのか?関心のない親の子供には誰が教えるのか。なぜ正しい装着法を教えないのだという声が、現場(医師)から上がっている。
子供に対して学校がしてくれる性教育に親が戸惑っている。
親が知らないうちの子供は行動を起している。友達の家で勉強するといって、アダルトビデオを見ている。高校に入ると行動がパーっと広がっていってしまう。公立中学の教師として、個別に教えたい気もあるが、実際に高校に入って問題を起すのは意外な子だ。自分の授業は子供達から必要とされている。  宝塚のように、清く正しく美しくと教えて子供達が生きていけるなら苦労しない。捨てられていく子供が、乳児院に何万人もいる。私はそんな話までするようには仰せつかっていない。お母さん方は、自分の子供だけを見ている。じゃあ、他の子供はどうなるのか?家でコンドームのことを教えてもらえない子はどうしますか?誰が教えてくれますか?私が伝えることを、子供達が重複してお互いに戒めあい、とんでもないことになるぞと、私の代わりにその話をしてくれればいい。
この授業で子供たちが受けるかもしれない心の傷は無視していいのか?
コンドームがショックとはどういうことか?コンドームを最初に触った時は、お母さんはショックじゃなかったのか?世の中ショックなことばかり。子供に見せたくないことばかり。予防接種と一緒ですよ。 その時期は義務教育の終わりの時期ですよ。実際高校では何もできていない。 中学を何事もなく過ごした子供が、高校に入ってパーっと性行動を開始するんですよ。そして妊娠するんですよ。中絶する、子供を産む、学校をやめるんです。子供を捨てる、虐待する。自分の将来の夢を踏み外していくんです。
何故、3年生ではなく2年生なのですか?(性教育の時期)
現実には性行動がそれだけ早まっているということです。データーで今は13歳で殺人事件を起している時代。昔は良かったと言っても、そういうことが実際起きている。親や教師が知らない影響を受けている。何の影響を受けるかわからない子供に、どうやってしっかりとした判断力をつけさせるか、これは闘いだ。親がこうしてきてくれるのは嬉しい。今までは孤軍奮闘だった。
高校の講演会の話でブレーキがかかるように、中学生にも先生の生の声でブレーキがかかるはず。個人にコンドームを一個ずつ配って、触れてつけさせる必要はない。
私は、そのことをわからせるために10何時間かけている。それを抜いたら意味がない。何のために10何時間教えてきたのか。
コンドームを貰ったから配っているのなら、なかった頃のスタンスに戻ってほしい。
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それでは話が甘い。お母さんが私の代わりにしてくれるのか?お母さんが我が子に対して責任を果たすことと、私が今果たしたいと思っている人数が違う。 立場が違う。現実に私以外に聞けない子供がいる。私は悲惨な例をいっぱい見ている。30数年こんな切羽詰った気持ちでやっている。実際援助交際ではめられるのは中学生ですよ。みんなダメだと言いながら、みんな援助交際をやっている。
倫理、道徳面の授業が、小中学校で弱いのではないか?
倫理、道徳の基本は家庭。学校は家庭教育を基盤にして、学校教育の中でやっている。私ひとりでやれるわけではない。私はHow to sexを教えているのではない。生き抜くこと。そういう授業をしても、望まない妊娠、中絶をしたりする子もいる。私の授業を聞いて、No sexで踏みとどまれるか。私が側についてやれるか。私は祈るのみ。コンドームをしてくれという意味ではない。責任のとれる年齢になって行動してほしいと思う。でも、そうじゃない子もいっぱいいる。全国に6万人、虐待されて養護施設に入っている。30年間、外国にまで行って医師の話、学校の事例などを聞いてきた。親に捨てられる子供達。どうなってしまうのか。
性教育のことを知らない親が多い。先生のコンドームの話は納得できたから、そういう内容を教えていることを、親に知らせてほしい。親としてフォローしたい。
それは私が望んできたこと。いままでは孤軍奮闘だった。どうして親に知らせなかったのか、子供が親に言いにくいだろうなと思って言ってこなかった。 お父さんはどう言われてますか?
両親がちゃんとしている家庭の子と、そうでない子を預かっている立場から、言わざるをえない。男性の性は男の人にしかわからない。だからお父さんが教えてほしい。 私が何故、そこまでやらなければならないかというと、生生しい現場の余りにも多くの情報を知るゆえ、やむにやまれない状況で教えていることを理解してほしい。
それでも、一個ずつ配ってやる必要があるのか、強制的に嫌がる子供にまでやらせる必要があるのか、納得できない。
それはお母さんの思い。でも知らなかったために死ぬ子、犯罪者になってしまう子がいる。ほとんどの子はそうじゃない。99人はそうじゃない。いつの間にか知っている子がほとんどだが、そうじゃない子供もいる。
豊中でも以前はコンドームを使っていたが、今は使わない授業をしている。豊中では、先生が心配されている様な事が起こっているのか?
豊中のことは知らない。 私は目の前にいる子しか教えられない。講演は突破口の役目。
その後は、その学校の先生がフォローしている。
コンドームの授業でショックを受けた子供がいたら、親にフォローするよう連絡してくれるか?
私は授業でショックを受けたとは感じない。笑い出す子はいるが、泣き出す子はいない。一人一人を見て対応はできない。
一人に一個ずつというのは、譲れないのか?
譲れないというのではなく、じゃあ誰がいつ教えるのか?渡しっぱなしにせず、ゴミもちゃんと回収している。私が渡す前に、自分で持っている子もいる。無知なために悲惨な結果になったり、それを利用する大人もいる。無知なことが繰り返される。養護施設を出た個が、また自分の子を預けに来る。お母さん方も家庭でフォローをお願いします。
野村先生と話がしたいので、これで終わりにします。