万景峰号抗議集会に暴力団 「救う会」が幹事を役職停止

2006年09月02日21時04分【朝日】

 拉致被害者支援団体「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(救う会全国協議会、佐藤勝巳会長)は2日、東京都内で開いた全国幹事会で、「救う会いばらき」(水戸市)の代表幹事(59)に対し、全国協議会幹事の役職を停止する処分を決めた。今年5月、北朝鮮貨客船・万景峰(マンギョンボン)号の新潟入港反対集会に「救う会」と関係のない暴力団や右翼団体関係者10人を参加させたためとしている。

 複数の救う会関係者によると、この反対集会の際、代表幹事は「救う会新潟」(新潟市)が県新潟港湾事務所に提出する参加予定者名簿に「救う会いばらき」の枠でこの10人を書き加えさせたという。

 救う会関係者は処分の理由を「拉致というテロをした北朝鮮とたたかう拉致被害者救出運動に、テロを容認するような反社会的団体や組織暴力団の構成員を参加させたのでは、運動への国民の支持を損ないかねない」と説明している。

 同幹事は「参加したのは右翼とテキ屋の人たちだ。佐藤会長も以前は『救う会は拉致被害者救出に同意する人なら誰でも参加できる』という姿勢だったのに、(今回突然処分するのは)論理が一貫していない」と反論している。