決  議  文  ( 案 )

あの日朝首脳会談で金正日が日本人の拉致をはっきりと認め、その後、蓮池薫さんら5人が帰国してから、既に一年がたった。しかし死亡されたとする8人については切詳細がわからず、また帰国された5人の家族は依然、北朝鮮に人質同様のまま帰国の目処すらついていない。

 本当に気が遠くなる程の時間、自分達の息子、娘、弟、妹がある日、突然、日常の平穏な生活から「拉致」という自分の意思とは関係なく、第三者の国家によって人生を束縛された国家的犯罪の究明を訴え、一日も早い奪還を求めてきた家族会、救う会、心ある議員の皆さんの声は、政府、外務省を動かし、米国、国連を動かし、ついにあの衝撃的な帰国劇へとつながった。そして、今日、多くの国民が北朝鮮とは「拉致問題解決なくして日朝国交正常化なし」という同胞意識に目覚めてきたといって過言ではない。

 肉親が二十年も三十年も行方不明になっている期間、加えて拉致している国家が明らかとなっているにもかかわらず、助け出すことができずにいる期間は、残されたご家族の涙と心労と怒りといった、それぞれの物語がある。しかしその物語は、決して事件に巻き込まれたご家族の問題なのではなく、国家がなければ国民の人権は守ることができないという、極めて当然の道理を主張することのできなかった私たち日本人に責任があることも銘記しなければならない。

 一年が経過して、何が進展したのか。確かに、北朝鮮はわが国政府、外務省の現在の毅然とした態度に対して焦燥感を持ち始めている。しかし、核開発が進行していることを平然と発表し、国連の場では「拉致事件は解決済み」と言い、6ヵ国協議の再開の見込みは依然ついていない。工作船の機能を果たしている万景峰号はPSCに応じることによって、定期的に新潟港に入港している。即ち、依然、拉致事件は解決することなく、わが国に不安を与え続けていることを直視しなければならない。

 今こそ、私たちは国民が団結してわが国政府に対して、「拉致は日本の国家主権を侵害する重大なテロであること、そのために北朝鮮に対しての経済制裁として北朝鮮との輸出入を全面的に禁止、北朝鮮資産の凍結、朝鮮総連関係施設への課税執行、北朝鮮全船舶の入港を禁止することを速やかに実行することにより、膠着した日朝交渉を打開すべき」であることを強く要望する。

 国家の存在意義自体が問われる問題であるからこそ、残されたご家族、拉致された肉親の苦しみこそ、わが同胞の思いとするところから、打開策はおのずと生まれる。

 本日、ここに集まった私たちは要は実行だけなのだと日本国政府に対し強く要望する。

平成15年10月18日

北朝鮮に拉致された日本人を救出しよう! 第4回大阪大会 参加者一同

代表 丸山公紀(日本会議事務局)