小泉首相の再訪朝についての声明
 

  5月22日に小泉首相が再訪朝することが発表されました。
私たちは現段階での小泉首相の訪朝に反対する立場を明らかにしたいと思います。
 今回の訪朝には、全ての日本人救出、奪還の策略があるようには思えず、強い憂慮を禁じえません。私たちの懸念の根拠は、首相が日本国政府の最高責任者として、「全ての拉致被害者と家族を救出する」という決意を示さず「平壌宣言に則り国交正常化を目指す」と繰り返すところにあります。首相の訪朝には、全面解決、または前進、進展の契機となる確証が必須の条件であると思慮します。家族8名の帰国で、北朝鮮の思惑通りに幕引きを図り、国交正常化交渉に移行するのでは
ないかという懸念が払拭できないままの訪朝には、断固抗議の意思を表明したいと思います。

  小泉首相は死亡、未入国と北朝鮮が発表した10名を始め、数百人に及ぶ日本人拉致被害者全員とその家族の奪還のための、国家としての威信、尊厳をかけた訪朝である重責を認識して頂きたいと思います。

 また全ての被害者とその家族の奪還は、主権国家としての原理原則として、原状回復を北朝鮮に強く要求すべきことであり、人道支援と称した見返りを与えるに評価すべきことではありません。即ち、家族の奪還と人道支援は次元の違う話で、人道支援は全ての拉致被害者奪還後ゆっくり考えたらいいのではないでしょうか。

 不当に人権を蹂躙をされ続けている全ての拉致被害者とその家族が、一刻も早く、幸せな当たり前の日常生活を取り戻されることを切望しております。

 
平成十六年五月十七日
北朝鮮に拉致された全ての日本人を奪還する会大阪(救う会大阪)
                                         代表 朝生 万里子