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闘  戦  経  500W
   
 
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 日本兵法研究会会長の家村です。この度、新著『闘戦経―武士道精神の原点を読み解く―』を刊行いたしました。

 本書は、今から九百年前に大江匡房(まさふさ)卿により書かれた日本最古の兵法書『闘戦経』を皆様にわかりやすく解説するものです。

 『闘戦経』は「孫子」と表裏をなす「純日本の兵法書」です。

 「孫子」は優れた戦いの理論書であり、古くから日本の武将の用兵思想や統帥に多大な影響を与えてきました。しかし、文と武を切り離し、全ての戦いを「詭道(きどう)」として権謀術数を奨励する古代シナの兵法書だけでは、日本人本来の精神的な崇高さや美徳を損なう虞(おそ)れがありました。そこで、これを補うため、日本古来の「武」の知恵と「和」の精神に基づく「文武一元」を説く『闘戦経』が生み出されたのです。

 中国の本質は古代シナ兵法から何ら変わるものではありません。それは兵法が必然的に民族の歴史と文化に根ざしたものだからです。シナでは昔も今も戦術から大戦略まで、あらゆる戦いが「詭」(偽り、騙すこと)の思想に支配され、さらに「虚実」(実を避けて虚を撃つ)、すなわち実体のないものをあるものに見せかけ、敵を恫喝し、その弱点を徹底的に突いてきます。中国共産党による対日革命工作や日本解体謀略なども、こうしたシナ兵法の理論に基づいているのです。

 楠木正成、大石内蔵助など、後世に深い感銘を遺した武人たちの思想と行動の根底には『闘戦経』の教えがあります。日本が世界に誇るべき武士道精神の原点が、この『闘戦経』なのです。

 「清く直く明けき心」を根本としつつ「剛毅」と「真鋭」を説く『闘戦経』の教えこそ、シナ文明や西欧文明の荒波に曝されて混迷を極め、さらに大東亜戦争終戦後は、自らの手で祖国を護る気概すらも失いつつある日本人に戦う知恵と勇気を蘇らせてくれるものです。

 本書『闘戦経』をひとりでも多くの日本人に読んでもらいたく、勝手なお願いではありますが、ご紹介のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

日本兵法研究会会長
元陸上自衛官(二等陸佐)

             家 村 和 幸

11月14日