救う会大阪
北朝鮮に拉致されたすべての日本人を奪還する会
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朝鮮総連関連施設固定資産税減免問題

  
北朝鮮の主張に対する政府の認識に関する質問主意          平成21年10月25日

提出 衆議院議員 岡本充功(民主党)

回答 内閣総理大臣 麻生太郎

平成21年3月16日提出 同24日回答


 北朝鮮が各種の手段を駆使し主張する内容には様々な疑問がある。これ等に対し、政府としての認識を確かめ、今後の日本の立場を明確にすることは6カ国協議参加国との連携上も必要であると考える。従って、次の事項について質問する。
 なお手持ちの資料を軽く当たって、「お答えすることは困難である」という常套句で、手抜き答弁をするのではなく、知りうる範囲において誠実な答弁をお願いする。併せて質問番号を束ねて、雑な答弁をするのではなく、質問番号の内容ごとに誠意をもった答弁を頂くよう強くお願いする。


質問 一 
 政府が認める北朝鮮に拉致された日本人は何人であるのか人数を問う。拉致されたと認める根拠如何。また疑いがあると推測される日本人の人数如何。更に何人が北朝鮮内を含む日本国外で生存し、何人が死亡したと推測しているのか根拠と併せ答弁を求める。

《答弁》
 捜査や調査の結果、北朝鮮による拉致行為があったことを確認するに足りるものとして整理された情報に基づいて、北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律(平成14年法律第143号)第2条に基づき、これまでに17名が北朝鮮当局による拉致被害者として認定されている。
 また、政府としては、政府が認識している拉致被害者以外にも拉致の可能性を排除できない事案があるとの認識の下、鋭意捜査・調査を行っているところであるが、お尋ねの「疑いがあると推測される日本人の人数」については、今後の捜査・調査に支障をもたらすおそれがあることから、お答えを差し控えたい。
 いずれにせよ、政府は、すべての拉致被害者が生存しているという前提に立っている。


質問 二
 北朝鮮が「人工衛星の打ち上げ」と主張し、平成21年4月に発射をすると国際海事機関等に通告したとする報道の事実関係如何。また発射され日本の領土及び領海内に落下してきた場合これを迎撃するのか答弁を求める。同様に日本の排他的経済水域内に落下してきた場合これを迎撃するのか答弁を求める。自衛隊法上は迎撃が可能だとしても現段階で技術的に可能なのか見解を問う。特にミサイル防衛システムは日本全土で配備出来ていないと考えるが答弁を求める。北朝鮮の朝鮮宇宙空間技術委員会が「試験通信衛星である」とし、北朝鮮当局が「宇宙の平和利用目的だ」と主張した場合でも国連安保理決議違反と考えるのか答弁を求める。今回北朝鮮が国際機関に打ち上げの事前通告をするなど手続きを経ていることを反証に挙げれば「弾道ミサイル計画に関する」とは断じ得ず、結果として国連安保理決議1718号に俄かに反するとは断じにくいのではないかと考えるが見解如何。同決議以外のいずれの決議にどういう理由で違反すると考えるのか見解如何。また日本政府としてどのような制裁を強化するのか、また今回の北朝鮮の動きについて、中国、ロシアとどのような意見調整を行っているのか両国の反応も含め答弁を求める。

《答弁》
 お尋ねの報道の事実関係については、平成21年3月12日夜(日本時間)、国際海事機関(以下「IMO」という。)事務局から我が国を含むIMO加盟国に対し、北朝鮮当局からIMO事務局に対し「試験通信衛星」の打ち上げのための事前通報があった旨の連絡があった。また、同月13日午前(日本時間)、国際民間航空機関(以下「ICAO」という。)事務局から我が国を含むICAO加盟国に対し、北朝鮮当局からICAO事務局に対し「通信衛星」の打ち上げのための事前通報があった旨の連絡があった。
 一般論として言えば、防衛大臣は、自衛隊法(昭和29年法律第165号)第82条の2の規定に基づき、
  @ 弾道ミサイル等(弾道ミサイルその他その落下により人命又は財産に対する重大な被害が生じると認められる物体であって航空機以外のものをいう。以下同じ。)が我が国に飛来するおそれがあり、その落下による我が国領域における人命又は財産に対する被害を防止するため必要があると認めるときは、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に対し、我が国に向けて現に飛来する弾道ミサイル等を我が国領域又は公海(海洋法に関する国際連合条約(平成8年条約第6号)に規定する排他的経済水域を含む。以下同じ。)の上空において破壊する措置をとるべき旨を命ずることができる。
  A @の場合のほか、事態が急変し@の内閣総理大臣の承認を得るいとまがなく我が国に向けて弾道ミサイル等が飛来する緊急の場合における我が国領域における人命又は財産に対する被害を防止するため、防衛大臣が作成し、内閣総理大臣の承認を受けた緊急対処要領に従い、あらかじめ、自衛隊の部隊に対し、我が国に向けて現に飛来する弾道ミサイル等を我が国領域又は公海の上空において破壊する措置をとるべき旨を命ずることができる。
 政府としてどのような対応をとるかについては、現時点では確たることを申し上げられない。また、その技術的な可能性については、お尋ねの場合が具体的にいかなる状況を指すのか明らかではないため、一概にお答えすることは困難であるが、我が国の弾道ミサイル防衛システムについては、広域を防護し得るスタンダード・ミサイルSM−3を搭載する護衛艦や拠点防御のためのペトリオット・ミサイルPAC−3の配備を進めており、これらによる弾道ミサイル等への対処に万全を期してまいりたい。
 北朝鮮が本発射が「試験通信衛星」であり、「宇宙の平和利用目的」であると主張する場合の国際連合安全保障理事会(以下「安保理」という。)決議との関係については、安保理決議第1695号及び第1718号は、北朝鮮の弾道ミサイル計画に関連するすべての活動は停止されなければならない旨を含んでいるところ、弾道ミサイルと、人工衛星打ち上げに使われる宇宙打ち上げ機はほぼ同一で互換性のある技術に由来するものであることから、実際に人工衛星が打ち上げられるような場合でも、北朝鮮が発射を行えば安保理決議に違反する行為となると考える。
 また、北朝鮮による発射が、国際機関に対する事前通報等国際的な枠組み上の手続に従って行われたとしても、これが安保理決議第1695号及び第1718号で禁じられる弾道ミサイル計画に関連する活動であることに変わりはなく、発射が安保理決議違反であることに影響を与えるものではないと考える。
  我が国の対北朝鮮措置は、拉致、核、ミサイルといった諸懸案に対する北朝鮮の対応や、六者会合、安保理等における国際社会の動き等を踏まえ、総合的に判断することとしている。
  御指摘の「北朝鮮の動き」に関し、中国及びロシアとも協議を行っているが、外交上の個別のやり取りの詳細について明らかにすることは、相手国との関係もあり差し控えたい。


質問 三
 北朝鮮は核保有国であると認識しているのか答弁を求める。平成18年10月9日に北朝鮮は地下核実験を行ったとしているが、日本政府として地下核実験だと認識しているのか見解如何。同日、朝鮮半島を震源とする核実験特有の地震波を日本国内の地震計で検出しているのかを問う。また同日、北朝鮮が核実験をしたと確認している国はあるのか、あるのであればいずれの国であると政府は承知しているのか答弁を求める。

《答弁》
 お尋ねについては、北朝鮮が極めて閉鎖的な体制をとっていることもあり、断定的なことは申し上げられないが、政府としては、一連の北朝鮮の言動を考えれば、既に核兵器計画が相当に進んでいる可能性を排除することはできないと認識している。
 平成18年10月9日の北朝鮮による地下核実験実施の発表について、政府としては、北朝鮮が核実験を行った蓋然性が極めて高いものと判断している。
 気象庁では、平成18年10月9日10時35分ころ、北朝鮮北東部の北緯41.2度、東経129.2度において、マグニチュード4.9の、自然地震ではない可能性があると考えられる震動を検出している。また、当時、米国は、北朝鮮が地下核実験を実施したことを確認する放射性物質を検出した旨を発表しており、韓国は、国内で採取した大気中に核実験と関連した放射性物質(キセノン)を確認し北朝鮮による地下核実験を公式に確認する旨を発表していると承知している。


質問 四
 日本国籍を有し北朝鮮に定住する者の人数如何。また北朝鮮における政治体制や生活苦を理由に合法、非合法を問わず脱出(以下「脱北」という。)し、日本に入国した人数如何。このうち日本国籍を有する人数如何。また元々日本に住みながら北朝鮮に移住し、その後脱北した人数如何。加えて脱北しながら日本国内に未だ入国せず日本以外の国に在住する日本人の人数はどのくらいだと推測しているのか根拠も併せて答弁を求める。日本国籍を有せず日本に入国を求めて脱北した者は難民と認めることが有り得るのか、また政治的な理由を持つ亡命と認めることが有り得るのか見解如何。

《答弁》
 お尋ねの人数については把握していない。出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)第61条の2第1項に定める難民の認定の申請をすることができるのは、本邦にある外国人に限られており、脱北者に限らず、外国にいる者は、我が国の難民の認定の申請をすることができない。
 なお、本邦にある外国人から難民の申請があった場合は、難民の地位に関する条約(昭和56年条約第21号。以下「難民条約」という。)第1条の規定又は難民の地位に関する議定書(昭和57年条約第1号)第1条の規定に定める難民条約の適用を受ける難民に該当するか否かを個別に判断している。


質問 五
 北朝鮮の金正日国家主席の後継となる人物は誰と日本政府は思慮しているのか根拠と併せ答弁を求める。平成13年5月1日にドミニカ共和国の偽装パスポートで入国を試み同月4日に退去強制処分となった男性について問う。この男性は北朝鮮の金正日国家主席の長男である金正男であると確認しているのか見解如何。確認できていないとすればその理由如何。また確認する努力を現在もしているのか答弁を求める。

《答弁》
 政府としては、北朝鮮の金正日国防委員長の後継問題に関し様々な情報に接しているが、情報収集の内容等について具体的に述べることは、今後の情報収集等に支障を来すおそれがあるため、お答えすることは差し控えたい。
 また、御指摘の「男性」については、政府としては、同人が北朝鮮の金正日国防委員長の子である金正男氏である蓋然性が高いものと認識しているが、確認しているわけではない。
 なお、一般に、不法入国等により真正な身分が判明しないまま退去強制手続が執ら出国した外国人については、その後の身分事項確認に係る追跡調査は行っていないことから、真正な身分事項は確認していない。


質問 六
 在日本朝鮮人総連合会(以下「朝鮮総連」という。)について問う。政府は朝鮮総連が「外交機関に準ずる機関」との認識か見解如何。また朝鮮総連の活動には公益性があると考えているのか見解を問う。朝鮮総連の施設、構成員及び職員に対して課税や出入国等を含む何らかの優遇措置はあるのか具体例を示して答弁を求める。

《答弁》
 我が国は北朝鮮を国家承認しておらず、外交関係も有していない。したがって、在日本朝鮮人総聯合会(以下「朝鮮総聯」という。)の関連施設は、外交関係に関するウィーン条約(昭和39年条約第14号)に規定される使節団の公館には当たらない。また、同条約には「外交機関に準ずる機関」という区分はない。
 また、朝鮮総聯については、その綱領において、「すべての在日同胞を朝鮮民主主義人民共和国のまわりに総結集させ」、「国の富強発展に特色のある貢献をする」などと掲げて活動を行っているものと承知しているが、お尋ねの「公益性」については、その有無を一概にお答えすることは困難である。
 朝鮮総聯の施設、構成員及び職員を対象とした国税に関する課税上の優遇措置はない。
 これらを対象とした地方税法(昭和25年法律第226号)における非課税等の優遇措置はない。なお、地方公共団体において、当該団体の条例に基づき朝鮮総聯の施設に係る固定資産税の減免を行っている例はあると承知している。
 また、朝鮮総聯の構成員及び職員に対して、出入国管理上の優遇措置はない。


質問 七
 株式会社整理回収機構は朝鮮総連に対する628億円の支払いを求めて東京地裁に提訴し、平成19年6月18日に判決を得て、その判決が確定したと承知しているが事実関係如何。現在までに整理回収機構が朝鮮総連から回収できた金額如何。また東京都千代田区富士見にある朝鮮総連本部に対する差押・強制競売は現在でも可能であるのか答弁を求める。可能であるならば今後裁判所に対し差押の申立てを行うのか方針を問う。

《答弁》
 お尋ねの株式会社整理回収機構(以下「整理回収機構」という。)の朝鮮総聯に対する賃金返還請求訴訟については、平成19年6月18日に整理回収機構側が勝訴判決を得て、同年7月3日その判決が確定したと承知している。なお、お尋ねの現在までに回収できた金額については、個別の金融機関による個別の取引に関する事項であることから、お答えを差し控えたいが、整理回収機構は、賃金返還請求訴訟において、本件訴訟中の回収により、請求元金を628億円から627億円に減縮したものと承知している。
 また、朝鮮総聯中央本部に対する差押え・強制競売については、本件不動産の登記名義人が朝鮮総聯ではなく合資会社朝鮮中央会館管理会(以下「管理会」という。)となっていることから、整理回収機構は、本件不動産に対する強制執行を可能とするため、管理会に対する執行文付与の訴え及び本件不動産の所有者が朝鮮総聯であることの確認等を求める所有権確認等請求訴訟を提起し、現在、それぞれ東京高等裁判所及び東京地方裁判所に係属中であると承知している。