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大学時代の写真集

 政府派遣  北方領土訪訪問 H13-8-10  

             ―北方領土「択捉島(紗那)」訪問記―


                                 大阪府立少路高校三年 増木あずさ


 期待と不安を胸に参加した北方領土訪問。高3になってすぐ、4月の初め、外務省より「北方領土派遣学生に決まった。」と通知が来ました。北方領土問題については父から話を聞いて知っていましたが、まさか択捉の地に自分が足を踏み入れるとは思いもしませんでした。通知が着てから、本を読んだり案内書を見たり、期待はどんどん増していきました。島への道のりは長かった。
 八月八日大阪を発ち東京へ。東京で本土の学生集合。釧路へ。釧路で本土組、北海道組合流。そして北方領土の基地根室へ。根室でブリーフィングと講習。
 八月十日夜。択捉島に向けようやく根室港を出港。さっそくオリエンテーションで班長に任命されました。三三四トンの少し小さめの「コーラルホワイト号」は、悪天候のせいかかなり激しく揺れ、予想外の船酔い。みんなダウン気味。しかし、徐々に体調も持ち直し、自分の班員や、他のみんなと打ち解けることができました。
 翌朝、目を覚ますと「コーラルホワイト号」は島のすぐそばに停泊していました。窓から島が見え、船には打ち合わせのため、ロシア人の係官が数人入ってきていて驚きと戸惑いを感じました。
 やっと今回の目的地、「択捉島」紗那に到着。まずはみんなで練習をした覚えたてのロシア語でご挨拶。けれどもロシア人の反応はいまいち。トホホホ! 私は当たり前のことながらロシア人に取り囲まれ、彼等のロシア語に圧倒され、緊張してそれからは何も話すことが出来ませんでした。
 午前中は、小・中・高と全学年一緒の学校を見学。建物の造りがあまりにもシンプルで驚きました。午後からは芸術学校の見学。ダンスや歌を披露してもらいました。ダンスの時に着ていたロシアの伝統衣装がかわいらしく、印象的でした。初日はあっという間に時間が過ぎ、夕刻ホームステイ先へ。
ドキドキの初ホームステイ。家に着くとすぐ夕食でした。ロシア料理は思っていたより美味しかったです。そして夕食後、私達は(通称)ディスコと呼ばれる子ども達だけの野外ダンスパーティーに行きました。ディスコと聞いて「そんな所へ子ども達だけで夜に行っていいのかな。」と思いましたが、行ってみると午後に見学した芸術学校で、音楽がガンガン鳴り響き、たくさんのロシア人が踊っていました。日本では、一般的に夜、学校を開放することはないので、少し羨ましく思いました。この日は緊張と驚きでしたが、大変充実した一日でした。
 翌日十二日。午前中に歴史学習会がありました。ロシアと日本の子ども達が、さまざまな意見交換を行ないました。ロシアのみなさんは自分の意志・意見をしっかり持ち、北方領土問題について考えていたので圧倒されました。「私たちももっときちっと勉強しなければならない。」と思いました。午後からはバーベキュー大会とスポーツ交流。バーベキューではフォークで食べる子ども達の姿に、些細なことながら文化の違いを感じました。この日はお店巡りもしました。商品の物価が安く、ここでも金銭感覚の違いを感じました。夜になると、隣のホームステイ先に数グループが集まり、みんなで日本のゲームやロシアのゲームを楽しみました。やっとロシアの人達とも仲良くなれ、いつしかロシア語会話集もボロボロになっていました。
 一夜が明け十三日。とうとう島を離れる時がきました。本当に家族のように接してくれたホストファミリーのみんなや、お世話になった島の人々と別れるのは淋しく、これから北方領土がどうなるのか、それによって彼等がどのような人生をおくることになるのか。ただ漠然と考えてしまいます。たった三日間という短い時間でしたが、言葉では言い表せないぐらいにたくさんの思い出ができ、またいろいろ物事を考えることが出来た、私にとってはとても充実した一生の思い出に残る大切な日々でした。また、日本各地から集まった四十数人の友達とも楽しく過ごすことが出来ました。班長として、班員をまとめたりして、また一つ自分が大きくなったような気がします。家を出発してから約一週間。全く知らない人達とともに生活しながら、みんなでたくさんのことを学び、吸収できたと思います。本当に楽しかったです。北方領土など、そうそう簡単に行ける所ではありません。今回推薦して頂いた方々に心から感謝しています。とても貴重な体験をさせて頂きました。ありがとうございました。


根室にてブリーフィング このころはまだ元気だった。(根室の岸壁にて)
  
択捉島(紗那)に到着! 島民の出迎え ホストファミリーのご家族
   
ロシアの民族衣装 ヘヘヘヘ!!